売れるモモとは…2
そのひとつひとつに思いのまま紅で遊ぶ風情や大柄で豊満な外観からいえば、大久保の方が姉さん格だ。
大久保は栽培する人たちにも、青果物店の人たちにもなかなか評判がよい。
作る側からこの品種の長所を挙げると、収穫後の日持ちが良く、果肉の締まりが良いので輸送中の荷傷みが少ない。
それに木や花 種の性質が素直で作りやすく収量が多い。
果実を売る側から見た長所も、この荷傷みと日持ちの点だ。
つまり売りやすいモモなのである。
モモは果実の作りが繊細なので、収穫からお客様の手に渡るまで、取り扱いにはたいそう気を使う。
店頭で「あんまはいやよ」とか「もみもみしないでね」とか、立札があったりするがあれは意地悪ではなくて懇願である。
モモという果実の泣き所は、このように果実が傷みやすく腐りやすいところにある。
成熟しておいしくなったものを収穫したとすると、しゃんとしているのはせいぜい二、三日、持ちが良い品種でも一週間から十日ぐらいまでである。