偶然と技能との組みあわせ 3
世界のいくつかの文化では人生観はかなりの程度まで宿命論的です。
そのような条件のもとに生まれた以上、人生はその運命にさからうことなく、もっぱらそれをそのままうけとめて、一種の諦観の境地のもとにかぎられた時間を生きるという哲学が基本になっています。
しかし、日本のばあい状況はだいぶちがいます。
生まれた条件がどのようなものであるにせよ、また環境条件がいかに不利なものであるにせよ・・・
人間はそのハンディキャップをのりこえるための努力をおしまないものです。
貧しい家に生まれた青年でも、もしも向上心をうしなわないなら、最大の努力をかたむけて一流大学の入学試験に敢然として挑戦するでしょう。
そんなふうにして社会の最下層から一躍して社会の指導者に自らをもちあげることに成功した人物たちを、わたしたちは日本の歴史のなかでも、またこんにちの社会のなかでも数多く知っています。